解説
ポイント解説
- 陸田孝則議員(議長)を巡る政治倫理条例・公職選挙法違反の疑惑について、特別委員会が検証した結果の報告です。
- 委員会は、対象議員が市発注工事等を請け負う企業(A社)の発行株式900株のうち420株(約47%)を保有する筆頭株主であること、同社から年間720万円の給与を得ていたこと、同社代表者から選挙運動用の複写機・机・椅子など計62万4千円相当の提供を受けていたことなどの事実を確認しました。
- 一方、対象議員や関係者(A社代表者、政治倫理審査会会長)がいずれも委員会への出席・説明を拒んだため、これ以上の実態解明は困難と判断しました。
- 田川市政治倫理審査会が示した「政治倫理基準に違反しない」との判断には委員から疑問の声が多く上がりましたが、これを覆すには至りませんでした。
なぜこの議案が出たのか
令和5年4月23日執行の市議会議員選挙をめぐり、陸田孝則議員が公職選挙法に違反したのではないかとするインターネットメディアの報道を受け、令和6年2月16日付で田川市政治倫理条例に基づく調査請求が行われました。この調査結果に対して議会内で疑問の声が上がり、市議会が自浄能力を発揮すべきとの意見から、令和6年3月定例会最終日(3月21日)に議員提出議案により本特別委員会の設置が賛成多数で可決されました。
具体的な内容
- 調査請求の内容: 陸田孝則議員は、田川市発注工事(総合体育館非常用発電装置取替工事、特定農業施設電気設備改修工事)や田川広域水道企業団発注工事を請け負うA社の発行株式900株のうち420株を保有する筆頭株主で、令和元年度は年間820万円、令和2〜5年度は年間720万円の給与を得ていました。また令和5年2月5日、A社代表者から選挙運動用の複写機1台・机・椅子など計62万4千円相当の無償提供を受けました。
- 政治倫理審査会の判断: 令和6年5月21日付の調査結果報告書で、政治倫理条例第3条第1号・第6号には違反しないと判断。委員会は審査会に会議録の提出を求めましたが、非公開を理由に拒否され、書面での質問状のやり取りにとどまりました。
- 出席拒否: 政治倫理審査会会長・A社代表者・対象議員のいずれも委員会への出席を拒否しました。会長は「既に報告書を提出しており当事者として意見を述べる立場にない」、A社代表者は「公の場で調査されることに精神的苦痛を感じる」、対象議員は「存在しない疑惑の説明は不可能」として、いずれも説明を拒みました。
- 有識者からの意見聴取: 政治倫理に詳しい参考人からは、対象議員が企業の筆頭株主として年間720万円の給与を得たうえ車の貸与まで受けている実態は、世間の常識に照らせば単なる従業員を超えた中心的な立場にあると見えるとの指摘がありました。
- 公職選挙法違反疑惑については、選挙費用収支報告書により寄附の事実は確認したものの、それ以上は委員会の調査権限が及ばず、捜査機関の判断に委ねるとしました。
この議案が可決されたことの意味
本会議で審査結果報告書が可決され、政治倫理審査会の「違反しない」との判断への疑問は解消されないまま、実態解明は限界に達したことが議会として公式に確認されました。委員会は今後、政治倫理条例に客観的な基準を設けるなどの見直しを求めています。
議案情報
- 議案番号: (番号なし)
- 件名: 陸田孝則議員の公職選挙法及び田川市政治倫理条例違反疑惑に関する検証等特別委員会の審査結果報告について
- 提出者: 議員提出
- 会期: 令和8年(第4回)6月定例会(2026-06-12〜2026-07-01)
- 議決結果: 可決
- 議決日: 2026-07-01
出典
※ 上記の解説は、田川市議会公式サイトが公開する議案説明資料等の情報をもとに作成しています。本会議での質疑・討論の内容は、会議録が本稿執筆時点(2026年7月)で田川市議会 会議録検索システムに未公開のため反映していません。