解説
ポイント解説
- 当初予算編成後に新たに必要となった事業費、合計4億349万4千円を追加する補正予算です。
- 柱となるのは、①生成AIを使った市民相談システムなどの「デジタル・デバイド対策事業」、②コミュニティバスの土曜日試験運行、③最高裁判決を受けた生活保護費の追加給付(補正額の8割超を占める)、④市外の小中学校に通学する児童生徒への「学校給食相当費補助金」の新設、の4本柱です。
なぜこの議案が出たのか
- 生成AI相談システム: 生成AIの急速な普及に対応し、高齢者などデジタルに不慣れな市民向けの講座や、市の情報を学習させた対話型AI相談システムを構築するため。
- コミュニティバス: 現在平日のみの運行を、休日の交通空白解消のため試験的に拡大するため。
- 生活保護費: 平成25年の生活扶助基準改定に基づく減額処分について、令和7年6月27日に最高裁判所が違法と判断したことを受け、国が対象世帯への追加給付を決定したため。
- 学校給食相当費補助金: 市内は令和6年度から給食無償化を実施し、令和8年度からは国の補助制度も始まりましたが、市外の小中学校に通う児童生徒には恩恵が及ばないため、公平性を確保する目的で新設。
具体的な内容
- ①デジタル・デバイド対策事業費(総務部経営企画課、3,169万1千円)
- AI時代のデジタル・デバイド対策(1,863万8千円): 生成AI講座(全16回)の開催や、市公式アプリ・LINEから相談できる対話型生成AIシステムの開発委託(1,564万6千円)など。令和8年7〜12月に事業者選定・構築、令和9年1月にシステム稼働テスト、令和9年2月から一般公開予定。
- 庁内業務DX事業(1,305万3千円): 業務用端末をChromebook・Google Workspaceに切り替える方針を決め、令和9年度の全庁導入(590台)に先立ち、令和8年度は先行して50台を導入・検証。
- ②公共交通網形成事業費(都市計画課、213万4千円)
- コミュニティバス「まちなか循環線」で、毎月第2・4土曜日の9時〜14時に右回り・左回り計6便/日を試験運行(運行事業者: 田川構内自動車株式会社)。運行期間は令和8年8月〜令和9年7月の1年間で、今回は令和8年度分(8か月分)を計上。
- 国の「交通空白」解消等リ・デザイン全面展開プロジェクト事業補助金(定額500万円+超過分の2/3)を活用。
- ③生活保護費(生活支援課、3億4,673万9千円)
- 内訳: 追加給付(扶助費)3億3,853万7千円+事務費(システム改修、会計年度任用職員人件費等)820万2千円。
- 対象は保護受給中世帯1,851世帯(1億4,127万1,486円)と保護廃止世帯2,821世帯(1億9,726万4,776円)の合計4,672世帯。
- 給付開始は令和8年9月以降を予定。現在生活保護を受給していない元受給者は申請が必要。
- ④学校給食相当費補助金交付事業費(教育総務課、913万円)
- 対象: 市内在住で市外の小中学校に通学し、学校給食が無償でない児童生徒など(想定: 小学校21人、中学校119人)。
- 補助上限額: 小学校58,630円、中学校66,110円(いずれも田川市の学校給食費年額に準拠)。
- 適用は令和8年4月1日に遡及し、給食等終了後に一括交付予定。
- このほか、第三者調査委員会の委員報酬増額(398万円)、国際水準GAPレベルアップ支援事業費補助金の新設(44万7千円)、就学援助費(要保護・準要保護)の単価引き上げに伴う増額(561万円)なども計上されています。
この議案が可決されたことの意味
これにより、生成AIを活用した相談体制やコミュニティバスの休日運行拡大が実現に向けて動き出すとともに、最高裁判決を受けた生活保護費の追加給付や、市外通学者への給食費相当額の補助が可能になりました。本会議での質疑・討論の内容は、会議録が本稿執筆時点(2026年7月)で会議録検索システムに未公開のため確認できていません。
議案情報
- 議案番号: 議案第27号
- 件名: 令和8年度田川市一般会計補正予算
- 提出者: 市長提出
- 会期: 令和8年(第4回)6月定例会(2026-06-12〜2026-07-01)
- 議決結果: 原案可決
- 議決日: 2026-07-01
出典
※ 上記の解説は、田川市議会公式サイトが公開する議案説明資料等の情報をもとに作成しています。本会議での質疑・討論の内容は、会議録が本稿執筆時点(2026年7月)で田川市議会 会議録検索システムに未公開のため反映していません。